開催趣意書


高等教育における社会の流れは、質保証から質転換の時代を迎えており、種々の取り組みが展開されてきています。

特に、大学教育においては、「入学は難しくても卒業は容易」という揶揄からの脱却が求められて久しいです。現在、“3つのポリシー”の明確化が各大学には求られ、DP(卒業修了認定・学位授与の方針)、CP(教育課程編成・実施の方針)、AP(入学者受入の方針)を作成し公表することが義務づけられています。

さらに、Diploma Supplementsとして、修了時にどのような能力を修得しているのかを明確に示す取り組みも求められるようになってきています。

理学療法士の養成教育課程は、大学のみならず専門学校教育によっても行われています。文部科学省管轄と厚生労働省管轄と管轄の違いはあったとしても、養成の質保証の観点からはこれら3つのポリシーの明確化は専門学校教育においても同様に求められます。さらに、プロフェッショナルとして、資格取得だけではなく、卒後の生涯学習の充実も重要な意味を持ちます。(公社)日本理学療法士協会においても、新人研修制度から認定制度に至る生涯学習システムの見直しを行い、新制度への移行を目前に控えています。

今回の学術大会は、分科学会化後の単独開催として最初の学術大会となります。そこで、理学療法教育を概観し、時代に応じた理学療法教育を考えていくべく、「理学療法教育・管理の質的転換」をテーマといたしました。新しい指定規則のもとでどのような教育展開を図ることが必要なのかについて議論していきたいと考えています。

本学術大会より、単独開催となることから会期を2日間に延長し、シンポジウムだけでなく一般演題も増やし、理学療法教育における卒前・卒後教育のさらなる充実につながる機会としたく準備を進めて参りたく考えています。

また、本学術大会は、第1回日本理学療法士学会管理部門研究会と同一会場、同一日程で開催させて頂き、臨床現場教育における議論の共有を図るとともに、教育と管理のそれぞれにおける学術的課題についても討議する場を設ける予定にしています。

 

                                    第7回日本理学療法教育学会学術大会

                                        学術大会長 日髙 正巳

                                        第1回日本理学療法士学会管理部門研究会

                                     研究会会長 千葉 哲也